薬剤師国家試験における「物理」は、多くの受験生が苦手意識を持ちやすい科目です。しかし、出題パターンが比較的決まっているため、正しく対策すれば得点源に化ける科目でもあります。
そこで今回は、物理のおすすめ勉強法と優先度をまとめました。

「物理」攻略における3つの重要ポイント
1.暗記ではなく、「公式の意味」と「単位」を理解する
物理で失点する最大の理由は、公式の丸暗記に頼ってしまうことです。公式に含まれる各記号の意味(ex.Cは濃度、vは速度)や、単位の組み立て(ex.J=N・m)を理解すると、初見の問題でも解法が浮かびやすくなります。
2.生体・薬学につながる分野から優先的に固める
物理学全般を完璧にする必要は全くありません。薬学に直結する「酸・塩基」「熱力学・平衡」「分析化学」は出題頻度が高く、他科目にも応用しやすいため、重点的に攻めるのが鉄則です。
3.過去問の解法パターンを身体に染み込ませる
物理の計算・理論問題は、問われ方のパターンが限られています。同じ過去問を、何も見ずに自力で立式できる状態になるまで反復演習しましょう。
分野別の優先度と勉強法
物理の分野は「物理化学(平衡・速度・構造)」「分析化学」「放射線・電磁波」などに分かれます。限られた時間で得点を最大化するための優先度は、以下の通りです。
優先度:高
・酸・塩基平衡、pH計算、緩衝液
特徴:
必須問題から理論問題まで超頻出。薬剤や衛生、病態の基礎となる最重要テーマ
勉強法:
Henderson-Hasselbalchの式や、弱酸・弱塩基のpH計算式を自分で導出できるようにする。
緩衝作用の仕組みと、緩衝容量の計算パターンを完全にマスターする。
・分光分析法
特徴:
必須問題から理論問題まで超頻出。毎年確実に問われる暗記+知識適応の分野
勉強法:
Lambert-Beerの法則やIR(官能基の吸収波数)、NMR(化学シフト・分裂パターン)の基本ルールを表でまとめて覚える。
構造決定の問題は、パズル感覚で解けるようになるまで過去問演習を重ねる。
優先度:中
・反応速度論
特徴:
薬剤の「物理薬剤学(分解速度など)」と密接にリンクする分野。
勉強法:
0次、1次、2次反応の速度定数の単位、半減期の公式を整理する。
Arrheniusの式(活性化エネルギー)の意味と、グラフの傾きが何を意味するか理解する。
・分離分析法
特徴:
HPLCやGC、キャピラリー電気泳動など、製剤や実務でも登場する手法。
勉強法:
保持時間、分離度(Rs)、理論段数(N)などの定義式とパラメータの関係を覚える。
逆相クロマトグラフィーでの保持時間の変化パターン(移動相の極性と溶出速度)を頭に叩き込む
優先度:低
・放射線・核医学
勉強法:
放射性同位体の崩壊式と半減期計算。計算パターンが決まっているため、数問解いて解法を固定化する。
測定器の原理や単位は、直前期の丸暗記でも対応可能。
・量子科学・分光の理論的詳細
特徴:
難易度が高く、深堀りすると時間を大幅に消費してしまう。
勉強法:
電子配置のルール(Pauliの排他原理、Hundの法則)や軌道の概念など、過去問で問われた基礎知識だけに絞って要点チェックにとどめる。
おすすめ学習スケジュール
春~夏:
「酸・塩基」「分光分析」の制覇と公式の理解、pH計算や反応速度の公式の意味を理解する。分光分析(NMR、IR等)の基本ルールを理解する。
秋~冬:
過去問演習(10年分)とパターン化。計算問題を自力で最後まで立式・計算できるまで解く。
薬剤と被っている分野を意識して解く。
直前期:
必須問題の確認と放射線・測定機器の最終暗記、分析機器の原理、放射線の単位など知識問題を最終チェック。
計算問題の解法スピードと精度を維持する。



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